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チルチン人2013投稿

2015/06/26 14:48:29

上2点/対馬産材の使用は残念ながら総木材量の55%だった、「対馬市立大調小学 校」の外観と内部。その下2点/「公民館半井桃水」の外観と内部。 左下/100%対馬産材でつくった「対馬の木でつくる家」モデルハウス。


【長崎県】対馬市
対馬の住宅・建築を、対馬の木でつくる

はなプランニング/鼻崎象三

私と対馬の林業とのかかわりは、小学校建設に地元対馬の木材を使えないかという森林組合の相談を受けたことが始まりでした。 相談の背景には、低迷した対馬の林業と余剰木材の増加という現実がありました。しかし大規模木造建築物である小学校には厳しい法規制があり、集成材をつくっていない対馬では、地元産木材を100%利用することができません。結果的に総木材量の55%を対馬産杉材として、2004年に対馬市立大調小学校が完成しました。
 これ以降、複数の木材団体と交流が深まり、同年、公民館半井桃水(100%対馬杉)、2005年、対馬の木でつくる家モデルハウス(100%対馬材)、その後、渡邉菓子舗(一部対馬檜)と公民館やまねこ工房(100%対馬杉)、鶏舎(100%対馬杉)と、多くの物件で地元木材を利用する設計に携わりました。
 昨年度は対馬産木材の利用促進について対馬市から相談を受け、小学校建設時に積み残した課題"集成材も対馬木材でつくる"に取り組みました。関係団体と連携した成果は、100%対馬産杉を利用した公立幼稚園として2014年3月に結実しようとしています。
 地元産木材利用の推進に貢献した一方で、国の「ツシマヤマネコ」関連施設が地元産をまったく利用できなかったという残念な事例もありました。私は設計に携わっていなかったのですが、利用木材に関して設計者のスタンスが非常に重要だと痛感しました。
 これまで林業とかかわり経験を積んできましたが、現在、対馬の古民家を福岡市のど真ん中に移築するプロジェクトに参加しています。難関をクリアし今年11月の公開に向け奮闘中です。


現在施工中の幼稚園では、対馬の木でつくった集成材を使うことに。対馬の杉を
ラミナ材に加工して鹿児島のJAS工場へ送り、集成材となって対馬に帰ってくる。

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